長妻昭代表代行記者会見

2016年5月19日(木)14時01分~14時20分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=jMruiTMHrAs


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○民進党ロゴマークを決定

【代表代行】
 今日午前中に発表したように、ロゴマークが決まりました。非常に躍動感のある、いいマークが決まったと思っております。
 「民主くん」の処遇については鋭意、担当者を決めて検討しているということです。

○「ニッポン1億総活躍プラン」と「共生イレブン」の類似性について

【代表代行】
 昨日、「ニッポン1億総活躍プラン」というのが政府から出てきて読みましたら、共生社会創造本部、我々のものを相当引用しているのではないかなと。著作権というのがあるのかないのか、盗作疑惑みたいなことがあるのかどうか、わかりませんが。
 「男女の役割分担の『壁』」「子育てや介護との両立という『壁』」、そういう「様々な『壁』が立ちはだかる現実がある。こうした『壁』を一つ一つ取り除く」と。我々も「格差の壁」というのをかねてより申し上げているところです。
 あるいはいろいろ「地域共生社会の実現」ということで、ほぼ我々の考え方と同じような文言が突然入って、数行、「支え手側と受け手側に分かれるのではなく」と。我々も支えられる側・支える側、これを決めつけて固定化するのではなくて、支え合うと。ここにも「支え合いながら」ということもあります。
 中身も、目次的には「同一労働同一賃金」とか、いろいろな文言が躍っております。我々はかねてより強く主張しているところでありますが、やはり突然選挙対策でおっしゃっているとしか思えない。
 例えば保育士等の給与アップにしても、我々は今国会に法案を提出して、与党は審議せず。長時間労働の規制についても、我々は今国会に法案を提出しましたが、与党は審議せずと。同一労働同一賃金も、昨年法案を提出しましたが、与党は反対。介護職員等の給与アップも、今国会に法案を提出しましたが、与党は反対。返済不要の奨学金についても、平成28年度予算組み替え動議を出しましたが、与党は反対と、言っていることと実際にやっている行動が真逆でありますから、これは実際にやるかどうかは到底信用できない。
 今、マニフェスト作成、マニフェスト企画委員会でも鋭意議論しておりまして、昨日の岡田克也代表の消費税についての発言も受けて、さらにブラッシュアップをしていきたいと考えております。


■質疑

○社会保障と税の一体改革について

【毎日新聞・野口記者】
 昨日の党首討論で、岡田代表は民主党の大臣当時に3党合意を主導した本人だが、その方が今回、増税の再延期を主張したことについて、長妻代行はどのようにとらえているかということと、そうしたことは事前に幹部の間では共有されていたのか伺いたい。

【代表代行】
 いずれそういう話を表明していくというような話は、かなり以前からいろいろ議論してきたと私は認識しおります。
 その中で、昨日も代表も党首討論で申し上げたところですが、やはり「内閣総辞職、辞任してくれ」という非常に強いメッセージなのです。つまり消費税を上げることがもうできない経済環境、上げると元も子もない、税収が減ってしまう。個人消費が政府の予想に反して伸びていない中、おそらく安倍総理も先送りをする可能性がある。その中で、やはりこういう経済状況、つまり消費税を上げる状況を生み出すとあれだけ断言をされたのに、そういう状況が成り立っていない。これはアベノミクスの失敗に近いのではないかということを真摯に反省するとすれば、ここは辞任して、消費税を上げる環境をつくれなかった責任をとるべきであると。こういうことに力点を置いた主張だと理解しております。
 安倍総理もあの後、相当“しどろもどろ”になったような、言葉を何度もかんでしまったようになって、総理にとっては予想外ではなかったかと思います。

【毎日新聞・野口記者】
 引き上げをしないと社会保障の充実の財源がないということで、岡田代表は赤字国債の発行ということを昨日おっしゃったが、赤字国債でそういったところを補うことについてはどうか。

【代表代行】
 消費増税、先送りを1回しているわけで、やはり切実な声が国民の皆さんから、例えば私のところにも年金の問題で、年金支給の要件の「25年ルール」が10年に短縮されるのを心待ちにしている方が、またそれが延期になる、そちらの部分についてはもう延期しないでほしいという声が相当届いている。これは仮に政府が言うように経済が非常に落ち込んで財政出動するということであれば、公共事業一辺倒の財政出動ではなくて、当初から約束していた社会保障という、ある意味で社会保障という財政出動、こちらをしたほうが効果があるのではないのか。
 しかし、「2020年のプライマリーバランス黒字化」というこの目標を放棄したら、世界から不信の目で見られる、国債の格付けも下がりかねないわけですから、消費増税は2019年4月ということを申し上げた前提で、ただ、その間の2年についてはそういう財源を手当てして、財政出動兼社会保障という考え方を示したということである。
 つまり、前提を四つぐらい付けて申し上げておりますので、何か相当緩んだということではないと考えています。

【共同通信・浅田記者】
 消費税増税の先送りの件で、今日午前中の(野党)党首会談で4党で一致した。昨日提案して、早速今日それが一致したが、これに対する評価と、今回、昨日の今日という形でかなり手際がよい感じだが、4党間でどのような調整がされていたのかどうか伺いたい。

【代表代行】
 これは(他の)野党とは頻繁に会談をしておりますから、私はどういう調整があったかというのはつまびらかに知っているわけではありませんが、そういうタイミングになったのではないかと考えております。
 先ほど申し上げたとおり、昨日の岡田代表の消費税についての発言というのは、真意の、力点を置いているところは、消費税を上げる環境をつくり出すということがある意味では安倍内閣の公約だったはずにもかかわらず、それができていないということについて、やはり辞任に値するのではないかと。サミット前後に先送りを(表明)するということがあれば、さらにその責任は大きいというようなことに力点を置いた主張だと理解しております。
 経済についての我々の現状把握についても、特にGDPの6割を占める個人消費が回復していない。こういう非常深刻な問題がまだ解決していないという理解で昨日の発言になったということで、四つの前提条件を付けた上での発言で、財政規律についても「2020年PB黒字化」は守るという前提でありますので、その考え方というのは非常に、野党でも共有される考え方ではないか、この点については野党が一致している。安保法制もそうですが、一致点が広がってきているという前向きな評価をしていくということです。

○憲法に関する議論について

【産経新聞・松本記者】
 昨日の党首討論で、憲法について岡田代表は9条は変えるべきではないということもおっしゃった。昨日おっしゃった時はあくまで代表個人のお考えということで述べられたようだが、今後、9条を変えるべきでない、9条を守るべきだということを党の見解としてまとめたり、あるいはマニフェストに盛り込んだり、党の考えとして打ち出していく考えはあるか伺いたい。

【代表代行】
 私の意識は、今、我が党の中も9条についてはおおむねそういう考え方ではないかと思っておりますので、これはマニフェストにどういうふうに書いていくかについては、これから個別について、時間がまだ多少ありますので、検討・議論をしていきたいと思います。

○野党4党党首会談について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 今日の午前中の4野党の党首会談で、内閣不信任決議案の検討も今後進めていくことを確認しているが、この狙いの部分と、この内閣不信任決議案が解散を招くという考えもあるが、そのあたりの影響についてはどのようにお考えか。

【代表代行】
 これは「検討」という言葉が入っていますので、実際にどういうふうに(するかは)、これから総理の言動いかんにも大きく左右されると思う。サミットの前後に消費税について何か重大な、これまでの発言の変更があった場合、これについては我々はかねてより「先送りをするのであれば辞任をせよ」と言っておりますから、そういう言動も見極めながら、6月1日が会期末ですから検討していくということです。今後の総理の言動に関わってくると思います。
 解散を誘発する・しないとかいうことについては、総理の資質を問うのが不信任案ですので、やはりそこにフォーカスを当てて判断していくことになると思います。やはり有利・不利で総理も解散する・しないを判断されると思いますので、ある意味では総理が解散したら与党が相当議席を減らすという状況に、我々が後半国会、もう最終盤ですが、追い込んでいくということも大変重要な課題だと考えています。

○北朝鮮拉致問題・ストックホルム合意について

【読売新聞・佐藤記者】
 今日官邸で開かれた政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会の終了後に、自民党の古屋議員がオンのぶら下がりで、協議会の中で出た意見として、民進党から、ストックホルム合意を破棄すべきという意見が出たと述べている。事実関係として把握されている部分があれば伺いたい。

【代表代行】
 これは私も事実関係を把握しておりませんので、担当に聞いていただければと思います。

○「ニッポン1億総活躍プラン」と「共生イレブン」の類似性について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 「ニッポン1億総活躍プラン」の話だが、共生社会創造本部で打ち出したものとだいぶ似通っているという長妻さんのご指摘もあった。こういった似通ったものをかぶせてくるという動きに対して、改めてマニフェスト等を含めてどういうふうに民進党として対応していったらいいかという点についてお考えを伺いたい。

【代表代行】
 私は、民進党でもオーソライズされたこの共生社会創造本部の考え方、これを与党も今までの考え方を曲げて評価をしたと。やはり時代の要請は、民進党が掲げる共生社会創造本部の発想が適切な政策の方向性を示しているのではないかと。こういうふうに理解いただいたと私は前向きに評価をして、非常に感謝しています、私個人では。
 ただ、一番困るのは羊頭狗肉といいますか、いいところだけ、文章だけパクって中身はやらないということになりますと、こういう政策にキズがついてしまう。ですから、やはり中身をきちっとやっていただくように、我々は政府をチェックして、監視して、そしてやっていただくように圧力をかけていくというような姿勢をとっていく必要があると考えています。
 そういう意味では、マニフェストについても、先ほど申し上げました国会での(政府・与党の)言動が一致しないようなところについては、我々もマニフェストにも明確にわかりやすく記述をすると同時に、今後、選挙戦が始まりましたら、いろいろな討論会とか、選挙区ごとでも議員同士の討論会があると思う、参議院でも。地元のいろいろな市民団体の方々が主催するような。そこで我々のそれぞれの議員が一つずつ突っ込んでいって、表面的にはいいことは言っているけれども、本当にどういうビジョンで、どういうプランなんだと。おそらく自民党の議員の方は、今から言うのは失礼な話ですが、哲学がにわか仕立てで総理がパパッと決めたもののようなイメージを受けますから、なかなか答えにくい。ということになりますと、見ている有権者は、やはり本気度がそこで示されると。それで政府も危機感を持って、やはり本当にやらなければいかんということでやるべきことが前に進んでいく、非常に競争をしていくというようなことが大変重要だと思います。
 向こうが看板だけでも土俵をつくったということでありますから、そこで横綱相撲をきちっとしていくということだと考えています。