衆院厚生労働委員会で10日に行われた障害者総合支援法改正案の参考人質疑で、民進党が参考人として招致を予定していたALS患者の岡部宏生さんの出席が拒否された問題について、山井和則国対委員長代理が衆院厚労委の野党筆頭理事の西村智奈美議員、初鹿明博衆院議員が緊急に記者会見した。

 西村議員は、「私たちは当初から岡部さんを参考人に呼びたいとして、与党と協議を重ねてきた。しかし、与党側から、児童福祉法の提案理由の説明とセットでなければ岡部さんの招致は認められないと伝えられた。障害を持つ方を参考人として呼ぶ時に限って取り引きを持ちかけられるのはおかしい話である上に、そういったことに岡部さんを巻き込むことは大変申し訳ないこと。さらに今後このことが前例とさせられる可能性、またこれ以上突っ張ることで参考人質疑自体がなくなることを危惧(きぐ)し、岡部さんの招致を断念せざるを得ない状況になった」と、悔しさをにじませながら今回の経緯を説明した。

 初鹿議員は、「言った言わないの話になってしまうので、あとは皆さんに判断して欲しいが、障害のある方を参考人として招致する時に、条件を持ち出すことは不見識だ」と指摘。

 山井国対委員長代理は、「民進党は岡部さんを呼びたかったが与党の意向で断念させられた。今になって問題となってきたので与党側があれこれ言いだした。障害者差別をなくす先頭に立つべき厚労委がこういうことでいいのか。国会として恥ずかしい」と述べ、与党のやり方を批判した。