山尾志桜里政務調査会長は27日午後、国会内で記者会見を開き、(1)北海道、京都の両補選について(2)熊本地震対策の補正予算の編成(3)待機児童問題(4)エネルギー4法案提出――について発言した。

 補選については、「京都では、おおさか維新が存在感を示すこと失敗した中で、泉健太候補が見事当選した。北海道の池田真紀候補は惜敗したが、野党と市民の連携は政権にとっては脅威ではないかと思っている」と述べた。

 熊本地震対策の補正予算の編成については、「党としては速やかな成立に協力する」と述べた上で、熊本地震に直接関係ない歳出や選挙対策のためのものなど、不適切な形で歳出が膨張しないようにチェックしていく考えを表明。具体的な内容については、明日、(1)被災地の高速道路の無料化(2)被災者生活再建支援制度の支援金の額の引き上げと、対象範囲の拡大(3)女性職員の率先派遣と地方公共団体などが女性職員を派遣した場合への支援――など、わが党案を与党の政調に提案させていただくと説明した。

 待機児童問題に対して、「安倍総理が保育士の給与水準を、女性の全産業平均と比較して基準にしたと報道で知ったが、2重の意味で感覚がずれている。保育士は女性の職業なのか。また男女の賃金格差を是認するのか」ということだと指摘し、安倍総理の認識に疑問を付けた。その上で、「わが党は保育士の給与の5万円アップ法案を出しているが、この問題に本気で取り組む気があるのなら、委員会を開いて議論に応じてもらいたい」と述べた。

 明日、エネルギー4法案を提出することにも言及し、「エネルギーの地産地消の推進やエネルギー協同組合の設置、排熱利用の促進など、この国にとって大事な法案だと思っている」と報告した。

 待機児童問題について、与党を動かすアイデアを問われた山尾政調会長は、「会期末も見えてきている中で、その審議から逃げ続けるということは理解できないことだ。自民党も待機児童対策本部を立ち上げているようなので、団体の声もそうだが、個人の声も聞いてほしい」と述べ、与党に対して、真摯(しんし)に取り組んでほしいと呼びかけた。

 マニフェストについて、自民党とどう差別化を図っていくのかとの問いには、「同一労働同一賃金、奨学金の問題、待機児童問題など、私たちはしっかりと中身のあるものを出したい。それを見ていただいて、どちらが本物かを判断してほしい」と答えた。

 民進党結党から1カ月。手ごたえと課題について山尾政調会長は、「手ごたえというほどまでは行かないが、政権を狙うには一致団結しなければという思いを前提にそれなりの行動を取れてきたと思う。参院選に向けては、結党の理念を分かりやすく説明し、民進党への理解をさらに深めていきたい」などと述べた。

 政策調整の難しさを経験しての感想を求められた山尾政調会長は、「部会などで多様な声が出るのは大事な要素。多様な声がしっかりとした議論を作っている。私は発言に重みのある政調会長にはなれないので、むしろフットワークの軽い政調会長として、いろいろな方の意見に足を運び、自分の身の丈の中で合意形成を図る努力を一生懸命していきたい」と答えた。