山尾志桜里政調会長は1日、国会内で定例記者会見を開いた。

 この日閉会した通常国会を振り返り、山尾政調会長は2つの感想を持ったと述べた。1つは安倍政権は対案から逃げるということ。もう1つは安倍政権が人権感覚、女性の感覚に非常に鈍感だということが心に残ると山尾政調会長は述べた。

 今国会で民進党が提出した議員立法は49本、委員長提出法案(与野党が合意し常任・特別委員会の委員長が発議する形を取る法案)を合わせると64本で、内閣提出法案の56本を超える数を提出したと説明。これに対する自民党の国会運営の姿勢について「対案から逃げて逃げて逃げまくった印象。保育士の給与を上げる法案は大きなテーマだったが、審議拒否を続けている。前の国会は安保がテーマだったが、その対案である領域警備法の審議も逃げている。(民進党が)対案を示しているのに逃げる安倍政権。(参院選投開票日までの)40日の戦いを通じて国民の皆様に示していく」と力を込めた。

 安倍政権が人権感覚に鈍感だということについては、「LGBTの方と一緒に作った法案を提出したが、差別をやめようという法案についてこれない自民党は何なんだろう。政治家の男女比率フィフティーフィフティーを目指す法案についてこれないのは何なんだろう。保育の給与は男女の賃金格差を悪用して、低い女性の平均賃金を目くらましに使うのはなんなんだろう、残念なのはそれに付き合わざるを得ない公明党の姿勢も切ないものがあった。女性をめぐっては、闘う女性がもっと必要だと感じた今国会だった。国民の5割が女性なのに国会議員は女性が1割しかいない。与党の女性がちまたの女性たちの声を本気で覚悟を決めて国会に届けるとはとても感じられない。そんななかで私たちの役割はとても大きい」と山尾政調会長は現状を嘆きつつ自らの役割を語った。

 また山尾政調会長は、「安倍総理がサミットの場で国民の代表として国際的な信頼を得るという国益と引き換えにアベノミクスの失敗の隠ぺいにつかったのは不信任に値し、退陣を求めるのは当たり前のこと」と批判をした。そのうえで、「参院選ではアベノミクスの失敗から暮らしを立ち直らせるためのボトムアップ経済を示すこと、国防軍を創設して切れ目のない集団的自衛権を認めるような憲法9条の改正を阻止すること――この2点が大きなテーマ」だと述べ、この点を全国で示して多くの仲間を当選できるように全力を尽くしていくと意気込みを語った。